1,埋蔵量に限りがあるが財政に潤いをもたらす原油
原油とは、まだ精製されていない状態の石油のことを言います。
一般に地下に埋蔵されている石油は、油田などで採掘することで地上に上がってきます。
しかしこのままではエネルギーとして使うことはできません。
地中に埋まっていたため多くの不純物が混じっているからです。
工場で精製して余分な不純物を取り除くことではじめて、私たちが使う石油となります。
原油はこのような精製過程に通す前の、天然に近い状態のことを差すと考えると良いでしょう。
地下に埋もれている資源としては、他にも鉄鉱石や石炭、天然ガスなどが有名です。
それらの中でも最も需要がある理由は、他の資源に比べて高いエネルギー量を持っているからです。
例えば同じエネルギーを生み出すにあたって必要な石油の量は、石炭などと比べるとほんのわずかで済みます。
そのため乗り物の原動力として優れており、液体という取り扱いのしやすさも相まって様々な場面で使われるようになりました。
一方で欠点もあります。
地下に埋蔵されている量には限りがあり、これまでの歴史の中で大量に採掘してしまったことから、使える量も残りわずかであると言われている点です。
仮に残されている埋蔵量を使い尽くしてしまうと、新たなエネルギー資源を開発する必要もあり早めの対策が求められます。
埋蔵されている地域が偏っていることも問題となっています。
その多くはアジアや中東、アメリカなどの特定の地域に偏っており、持てる国が財政を潤すことができるのに対し、持たざる国は他国からの輸入に頼らざるを得ず、経済的な不均衡を生み出す原因ともなっています。
2,原油への重要は昔から衰えていない
埋蔵資源をめぐり隣国間で紛争が発生することもあるなど、今後はさらなる資源の争奪戦があるかもしれません。
原油には、環境問題の引き金となっているという指摘もあります。
地下に埋蔵されている資源の多くは、エネルギーを取り出す際に大量の二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物といった物質を生み出します。
これらが大気にそのままの状態で放出されると酸性雨の原因となったり、呼吸器疾患を引き起こす原因となります。
最も大きな論争となっているのが、原油を大量に消費することからくる地球温暖化の問題です。
自動車を例に取ればわかるように、エンジンをかけて走り出すと二酸化炭素が含まれた排気が排出されます。
ある程度はマフラーで除去しているものの、多くはそのまま大気中へ放出されているのが実情です。
これらは地球の大気中にとどまり温室効果ガスとなることから、地球温暖化を加速していると言われています。
エネルギーとしてはとりわけ優れているだけに、これらの課題も早急に解決する必要があるでしょう。
一方で、エネルギー源としての利点の多さから、様々な分野における原油への需要は昔から衰えることはありません。
工場や乗り物や長岡石油など多くの場面で活用されており、こうしたニーズの高さから市場での価値も年々高まりつつあります。
それを証明するのが、取引市場における値段の右肩上がりです。
先進国が発展するに従って値段を上げてきましたが、新たに新興国が登場したことでさらに拍車がかかっています。
3,原油の代わりになる新エネルギーの動向にも注目
価格を安定させるためにいくつかの取り組みも行われていますが、今後も需要が低下することは考えにくく、高値での安定した取引が期待できます。
こうした観点から、原油関連の投資を行うことは高い利益が望めると言われています。
まず考えられるのが、採掘権の購入です。
メーカーとして安定したエネルギー供給のために購入しても構いませんし、今後の値上がりを考えて譲渡することを想定した投資も意味があると言えます。
直接携わらなくても投資の方法はあります。
先物取引を始めることです。
WTIと呼ばれる市場では世界の需要に応じてバレルあたりの価格が決められており、ポジションを持ち続けることで長期トレードを行ったり、値動きに注目して差益を狙うこともできます。
先物取引以外では、関連する企業の株式を購入するといった投資法も有名です。
オイルメーカーなどはWTIでの価格がわずかに上がるだけでも、売り上げが改善されると考えられて投資家に買われています。
精製する工場も同様で、こうした関連株の動向を見ておく価値は大いにあると言えます。
注意点としては、新エネルギーの台頭があげられます。
石油だけに頼ってきた世界の国々は、エネルギーバランスを見直そうと新しい代替資源の開発に力を入れています。
その中でも最も成功したと言われているのが、近年になってアメリカが開発したシェールオイルです。これはオイルサンドに含まれたものを精製する技術のことで、開発当初は生産コストが異常に高いことから代替資源にはならないだろうと言われていました。
ところが技術革新が進んだことでより少ない費用での精製が可能になり、今では石油の市場価格を大きく下げる要因ともなりました。
扱う上では、こうした新エネルギーに動向にも注目しておく必要があります。
最終更新日 2025年4月22日